京都オーバーツーリズムを深読み! 観光と暮らしのすれ違い

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古都・京都を襲うオーバーツーリズム。観光客の増加は経済効果をもたらす一方で、住民の穏やかな生活を直撃している。交通、治安、文化財の保全…。観光の街に暮らす人々は、今どんな現実に向き合っているのか。

京都市はオーバーツーリズム対策として、観光地直行の急行バスを休日に運行し、割高運賃で混雑を抑える施策を始めた。しかし本質的な問題は交通だけではない。

半分京都に暮らす私の目にも、日常は変わってしまった。バスに大きなスーツケースを二つ抱えて乗り込む観光客が増え、地元の人が通勤や通学で乗れなくなる。降りたいバス停で降りられないことも珍しくない。

観光地はゴミがあふれ、かつて「京の台所」と呼ばれた錦市場は、いまや地元客が足を遠ざける「買い食い通り」になった。お寺や民家にずかずか入って写真を撮る人も少なくない。静謐さや暮らしのリズムは崩れ、住む人にとっては「観光公害で悩む街」に変わってしまったのだ。

さらに、ホテルや商店街は外国資本に浸食されつつある。中国人経営のレンタル着物店が増え、古都らしい景観や商習慣も変容している。表向きは「インバウンド経済」だが、実際には地域に還元されにくい構造になりつつあることも見逃せない。

もちろん、観光は京都にとって大切な産業だ。だが、「暮らし」と「観光」がこれほどまでに衝突している現状を見ると、双方が幸せになれる仕組みがまだ整っていないのだと痛感する。