糖質制限を深読み! 糖質制限は一生続けられるのか?

今回読み解く記事

オリジナル

そもそも「糖質制限」とは何か


ダイエットの選択肢として、挙がりやすい「糖質制限」。
私自身も40、50代で糖質制限をして、体重を一気に落としたことがある。
その効果たるものすばらしく、「一気に」という言葉がぴったりだった。

糖質制限とは、米やパン、麺類、砂糖など、糖質を多く含む食品を減らすダイエット法を指す。
糖質を制限すると、血糖値の急上昇を抑えることができる。
それによって体重はスムーズに落ち、短期間で結果が出ることから広く普及した。

だが、この「即効性」こそが、落とし穴でもある。


糖質制限で体重が減るメカニズム

糖質制限で最初に減る体重の多くは、体内に蓄えられているグリコーゲン(多糖類)と、それに結びついた水分。
これらが抜けることで、体重がスッと落ちる。

ちなみに糖質1gは、約3〜4gの水分を抱え込むとされている。
糖質を抜くと、その水分がまとめて抜けるため、数kg単位で体重が減ることも珍しくない。
私自身もそれを経験している。

体重が減り、見た目にもスッキリして大満足なのだが、カラダにはちょっとした異変が起こり始める。


糖質制限をすると「省エネモード」に

それは「省エネモード」になることだ。
体にとって糖質は、もっとも素早く使えるエネルギー源だ。
その供給が急に減ると、体は「ダイエット中」ではなく、「飢餓が始まった!」と判断する。

すると、カラダはエネルギー消費を抑える方向へ舵を切る。
そう、「省エネモード」になるので。
基礎代謝を下げ、筋肉での消費を減らし、体脂肪をできるだけ温存しようとする。

これは体の恒常性(ホメオスタシス)によって起きる、生き延びるための生理的にごく合理的な反応だ。


省エネモードが続くと太りやすくなる

省エネモードが続くと、同じ食事をしても体重が落ちにくくなる。
私自身もまさにそうだった。
「前はこの食事量で痩せたのに、今回は全然落ちない」と焦り、さらに食事量を削る。
すると、カラダは「飢餓だ!」と勘違いし、さらに省エネモードになっていく。

食事を削り続けると、体はまず筋肉量を減らしてエネルギー消費を抑えようとする。
筋肉は、何もしなくてもエネルギーを使う組織。
筋肉が減れば、基礎代謝は下がる。

同時に、エネルギー不足はホルモンバランスにも影響する。
満腹感を伝えるホルモンが働きにくくなり、食欲を高める方向に傾く。
体は「次の飢餓」に備え、入ってきたエネルギーを脂肪として蓄えやすくなる。

その結果、以前と同じ量を食べているつもりでも、体重は落ちにくくなり、
少し食べただけで太りやすい体が出来上がっていく。

糖質制限は「脂質過多」になりやすい

糖質を減らすと、満足感を補うために脂質が増えやすくなる。
肉、チーズ、ナッツ、バターetc……。
私は糖質制限で良しとされているこれらの食材を摂り過ぎてしまい、食事管理アプリ「あすけん」では常に脂質がオーバーしていた。

脂質は1gあたり9kcalと高エネルギーで、体脂肪として蓄積されやすい。
糖質を減らしたはずなのに、体脂肪がどんどん増えていった。
そして私は糖質制限を止めた。

変えたのは「制限」ではなく「配分」

その後、体脂肪が落ちたのは、糖質を制限した時ではなかった。
酒の飲み方を見直し、PFCバランス(たんぱく質、脂質、糖質)を整え、自分に合ったカロリーに収めるようにしてからだ。

もう糖質は減らさなかった。
ご飯も、お餅も、パスタもやめなかった。
その代わり、PFCバランスが整うよう量とカロリーを調整した。

糖質を切らずにしたことで、カラダは省エネモードから解放される。
体が守りに入らなくなると、筋肉が減ることなく代謝が維持され、余分な脂肪がエネルギーとして使われ始める。

結果、体脂肪は最大値から10%減った。

糖質制限が合わない人もいる

結局、私には糖質制限が合わなかった。
堪え性がないからだろう。

何かを削って体重を落とすダイエットは、少なからずストレスを伴う。
我慢が前提になり、長く続けるのは難しい。

痩せるとは、体を追い詰めることではない。
自分に合った一生続けられる食事法を見出し、カラダを安心させることで結果が出ることもある。