若者の「飲み会離れ」を深読み! お酒の文化と社会の変化

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「若者の飲み会離れ」と言われて久しいが、彼らは単に「飲み会が嫌い」なわけではない。背景には、スピーディーに結果を求める現代の社会や、経済的なプレッシャー、そして私たち大人世代との価値観の違いがある。飲み会文化の変化は、時代とともに変わる「働き方」「生き方」を反映している。

以前、「ABEMA TVに出演した際、若いMCたちが「カフェでコーヒーを飲みながらでも仕事の話はできる」「お酒を飲んだら仕事の話なんてできない」「タイパやコスパが悪い」と言っていたのを聞いて、衝撃を受けた。

私たちの世代は、「酒席で仕事を取る」「飲みながらアイデアを出す」という考えが一般的だったが、若者たちにとってそれは通用しない。無駄に見える飲みの時間から、アイデアが生まれて形になるということを、若い世代は経験していないのだと思う。これは1つに「早く結果を出したい」という社会の風潮が影響しているような気がする。

そして、忘れてはならないのが、私たち親世代にも責任の一端があるということ。某大手広告代理店で新入社員向けの「お酒の飲み方セミナー」をした際、「どうしてお酒を飲まないのか?」と受講生にアンケートを取ったところ、「酔っ払うのはみっともない」「太りたくない」という答えが多かったことに驚いた。

私たちの世代は、酔っ払って帰るのが通常運転だった。連日の飲み会で体重が増え、お腹ぽっこり体型になっても気にすることなく飲み続けていた。だが、今の若者の多くはヘルスコンシャス志向。そうした「悪い見本」を見て育った彼らは、「ああはなるまい」という思いが根底にあるのだろう。

さらに、30年間給料が上がらない現実も大きな要因だ。かつては、上司が経費でおごってくれることが多かったが、今はほとんどが会費制。自分の時間とお金を使って参加する上に、上司に気も使わなければならない。「参加したくない」と思うのは仕方がない。私が彼らの立場だとしたら……、よっぽど重要な飲み会でない限り参加しないと思う。酒を生業にしている私ですらこう思うのだから、旧来型の飲み会が支持されにくいのは当然だ。旧来型は「全員参加」が暗黙ルール。これからは「参加しない自由」を前提にする。選べる場だけが、結果的に人を集めるのではないだろうか。