「円の購買力が半分に」を深読み! 私たちは「お金の価値」に気付けているか?

「円の買う力が半分」という衝撃


「円の購買力が40年で半分程度に低下した」というニュースを目にし、思わず目を疑った。

記事では「実質実効為替レート」という指標を用いて説明されていた。
簡単に言えば、「円で世界のモノやサービスをどれだけ買えるか」を示すものである。

例えば、40年前に1,000円で買えたピザが、日本では1,500円になったとする。
一方、アメリカでは同じようなピザが約3,200円。
つまり、日本人が1,500円を持って渡米しても、ピザを半分も買えない計算になる。

「円安」という言葉は日常的に耳にする。
しかし、「円の買う力が半分になった」と聞くと、その現実が一気に身近に感じられた。

人は「数字」に安心してしまう

ここで思い出したのが、心理学や行動経済学で知られる「貨幣錯覚(Money Illusion)」という考え方だ。

これは、お金の「額面」に意識が向き、
そのお金で何が買えるかという「価値」の変化を見落としてしまう心理を指す。

例えば、100万円は20年前も今も100万円。
通帳に記された数字は変わらない。
しかし、その100万円で買えるモノやサービスは、物価や為替の変化によって少しずつ変わっている。
これは、現在の物価高による値上がりで、日々実感している人も多いだろう。

私たちは預金残高が減れば不安になる一方で、
同じ預金額のまま「買う力」が少しずつ低下していくことには意外なほど気付きにくい。

数字は変わらなくても、価値は変わっているのだ。

その上で、預金だけで資産を守れるのか、それとも投資なども取り入れるべきなのか、自分に合った方法を考えていく。
つまり必要なのは、お金を増やす知識よりも、お金を守る知識なのである。

必要なのは「お金を守る力」

それにはまず、「お金の価値は変わる」という事実を知ることだ。

その上で、預金だけで資産を守れるのか、
それとも投資なども取り入れるべきなのかを自分に合った方法を考える。

これからの時代は、「いくら持っているか」だけでなく、
「そのお金で何ができるか」という視点が欠かせない。

つまり、マネーリテラシーを高めることが、自分の暮らしを守ることにつながる。
だからこそ、これからは「貯める力」だけでなく、「守る力」も身につけていく必要があるのだ。