「モバイルオーダーは、本当に便利なのか?」を深読み!

モバイルオーダーは嫌われている?
飲食店でモバイルオーダーを導入する店が増えている。
並ばずに注文できる。
人手不足にも対応できる。
店側にとっては業務の効率化につながる便利な仕組みだ。
一方で、SNSでは「モバイルオーダーが苦手」「できれば使いたくない」という声も少なくない。
なぜ、便利なはずのサービスに抵抗を感じる人がいるのだろう?
店の仕事を客が引き受ける時代
モバイルオーダーの導入により、以前は店員が担っていた仕事を、今は客自身が行う場面が増えた。
メニューを選び、注文し、会計し、クーポンを探し、ポイントを管理する。
その多くを客自身のスマートフォンで済ませる。
待ち時間が減るなどのメリットはある。
しかし見方を変えれば、「店の効率化に客が協力している」と感じる人がいても不思議ではない。
とはいえ、人件費削減の効果が、価格やサービスに反映されていると実感できれば、受け入れやすい人も多いだろう。
だが、受け入れにくいこともある。
注文したいだけなのに、なぜ登録が必要?
特に抵抗感が強いのが、アプリのダウンロードやLINEの友だち登録を求められるケースだ。
一度しか利用しないかもしれない店のために、個人情報を登録し、通知が届くようになる。
「注文したいだけなのに、そこまでしなければならないのか」
そう感じる人は少なくない。
便利なサービスが、いつの間にかマーケティングの入り口になっていることへの違和感もあるのだろう。
私自身、LINE登録は避けたいので、その旨を店に伝えるようにしている。
店にとっては招き入れたくない客かもしれないが、個人情報をむやみやたらに提供することはしたくない。
老眼世代には、小さな負担が大きい
もう一つ見落とされがちなのが、年齢による視力の変化だ。
老眼は決して高齢者だけの話ではない。
40代後半から始まる人も多い。
小さな文字を拡大しながらメニューを探し、画面を何度もスクロールし、注文ボタンを確認する。
紙のメニューなら一目で見渡せたことが、スマートフォンでは思いのほか時間がかかる。
さらに、Wi-Fiがなければ通信料も利用者負担になる。
こうした小さな負担が積み重なることで、「モバイルオーダーは便利」という印象が薄れていく。
本当に便利なのは誰なのか
モバイルオーダーをはじめ、DX(デジタルトランスフォーメーション)は、これからも社会に欠かせない。
しかし、飲食店に求めるものは、業態によって異なる。
効率やスピードが価値になる店もあれば、店員との会話やおすすめとの出会いも楽しみの一つという店もある。
本当に便利なサービスとは、すべてをデジタル化することではない。
その店ならではの魅力を残しながら、利用する人が「使いやすい」と感じられる形を選ぶことではないだろうか。
そこにこそ、本物のサービスのあり方があるように思う。
深読みポイント
- モバイルオーダーが便利な時代だからこそ、人と人とのやり取りが生む価値は、ますます大きくなる
- モバイルオーダーが当たり前になる時代だからこそ、問われるのは「誰にとって便利なのか」である。

