「家でノーブラだと胸は垂れるは本当か?」を深読み!

今回読み解く記事
オリジナル
「ノーブラだから垂れた」と思い込んでいた
ナイトブラにホームブラ。
昨今、「胸が垂れないように、おうちでも寝る時でもブラをつけましょう」圧がすごい。
そういう風潮に乗りやすい私は、即ネットでナイトブラを購入。
しかし……、寝る時まで締め付けられることに耐えられず、それらはすっかりタンスの肥やしになっている。
そこでふと疑問が湧いた。
24時間ブラをしないと、胸はホントに垂れるのか?と。
調べてみると、意外な事実があった。
現在の研究では、日常生活でブラジャーを着用することが、
将来的な乳房の下垂(乳房下垂:breast ptosis)を予防することを示す質の高いエビデンスは十分ではないという結果が出ている。
(参照:Rinker B, et al. Breast Ptosis: Causes and Cure 2010)
クーパー靭帯だけでは説明できない
よく耳にするのが、「クーパー靭帯を守るためにブラが必要」という話だ。
クーパー靭帯とは、乳房を支える線維状の組織で、
一度伸びたり傷んだりすると元には戻りにくいと考えられている。
ただし、「家でブラを着ければクーパー靭帯を守れる」とまでは、現在の研究では証明されていない。
胸の下垂は、クーパー靭帯だけで決まるわけではなく、皮膚や脂肪、
結合組織なども含めたさまざまな要素が影響しているというのだ。
運動中はスポーツブラが重要
一方で、ボクシングやランニングなど、胸が大きく揺れる運動では話が別。
スポーツブラによって胸の揺れを抑えることは、不快感や痛みを軽減し、
運動を快適に行ううえで役立つことがわかっている。
(参照:Scurr J, et al. Breast motion and sports brassiere design 1999)
つまり、日常生活と運動中では、ブラの役割が異なるのである。
胸の下垂の原因はもっと複雑だった
では、胸が垂れる原因は何なのだろうか。
胸の下垂には、加齢による皮膚や乳房を支える結合組織の弾力低下だけでなく、
バストの大きさ、妊娠・授乳による乳腺の変化、体重の増減、さらには遺伝的な体質など、さまざまな要因が関わっている。
加齢とともに皮膚や結合組織のハリは少しずつ失われていく。
また、バストが大きいほど重力の影響を受けやすく、長い年月をかけて下垂しやすい傾向がある。
さらに、妊娠・授乳では乳腺が発達・縮小を繰り返し、急激なダイエットやリバウンドでは
脂肪量や皮膚の張りが変化するため、乳房の形にも影響を及ぼすことがある。
胸は毎日の重力の影響を何十年も受けながら少しずつ変化していく器官であり、
その下垂変化を「ブラを着ける・着けない」という一つの習慣だけで説明することはできない。
つまり、「ノーブラだったから垂れた」と、一つの原因だけに結び付けるのは難しいのである。
「快適さ」で選べばいい
もちろん、ナイトブラを愛用している人を否定するつもりはない。
「寝返りのときに楽」「横流れが気にならない」「安心感がある」など、つけることに十分に意味がある。
ただ、「着けなかったから将来必ず垂れる」と過度に心配する必要は現時点ではなさそうだ。
私自身、この事実を知って少し肩の力が抜けた。
こうした情報は、「みんなが言っているから正しい」と思い込みがちだ。
しかし、調べてみると、科学的な根拠が十分ではないものも少なくない。
だからこそ、自分にとって快適な選択をすればいいのだ。
深読みポイント
- 「常識」と「科学」は、必ずしも一致しない
- 思い込みを手放すと、心も体も少しラクになる

