円安だけでは語れない外国人の「日本離れ」を深読み!

「外国人労働者がいない」が本当の問題なのか
外国人労働者の「日本離れ」が話題になっている。
背景には円安や制度変更、手数料の引き上げなど、さまざまな要因があるという。
エコノミストのエミン・ユルマズ氏は、その最大の要因を円安とし、
「将来的に1ドル200円になれば、日本を希望する人材はさらに減る可能性がある」との見方を示している。
確かに、同じ給料でも、母国へ送金した際の価値は円安によって大きく変わる。
しかし、この問題は円安だけでは語れない。
外国人労働者は「働く国」を選ぶ時代になった
かつて日本は、多くの外国人にとって「働きたい国」の一つだった。
しかし今は、韓国や台湾、ドイツなど、日本以外にも魅力的な選択肢が増えている。
働く場所は、もはや国境に縛られない。
外国人も日本人も、「どこで働くか」を世界規模で比較する時代になったのだ。。
外国人労働者離れよりも懸念していること
だが、私が気になるのは、外国人労働者が減ること以上に、優秀な日本人が海外へ流れていくことだ。
給与だけではない。
研究できる土壌。
キャリアの可能性。
新しいことに挑戦できる機会と資金。
そうした条件を総合的に考え、海外を選ぶ若者は今後さらに増えるだろう。
それは当たり前の選択だ。
同じ働くなら、条件がいいほうがいい。
だからこそ、日本は若く優秀な人材を「送り出す」ことを嘆くのではなく、
「選ばれる国」であり続けられるかを考える必要がある。
年収より「可処分所得」が未来を決める
その条件の一つが、「働いた分だけ暮らしが豊かになる」という実感だ。
その実感の1つとなるのが、実際に自由に使える「手取り」だ。
賃上げが進んでも、社会保険料や税金の負担が増えれば、生活のゆとりは感じにくい。
社会保険は医療や年金を支える大切な制度であり、負担を減らせば別の財源が必要になるのはわかる。
それでも、若い世代が将来に希望を持ち、結婚や子育て、新たな挑戦を現実的な選択肢として考えられるようにするには、可処分所得をどう増やすかという視点は避けて通れないだろう。
「選ぶ国」から「選ばれる国」へ
人口減少が進む日本は、これからますます人材の確保が重要になる。
問われるのは、「外国人労働者をどう確保するか」だけではない。
日本人も外国人も、この国で働きたい、この国で暮らしたいと思える環境をつくれるかということだ。
これからは「人を惹きつける力」そのものが国の競争力になる。
国もまた、「選ばれる側」に立っているのだ。
深読みポイント
- 円安より深刻なのは、「人」が日本を選ばなくなることだ
- いま問われているのは、外国人政策ではない。「選ばれる国」であり続けられるかだ

