「若者は結婚しない」を深読み! 国連調査が示した意外な現実


「結婚したくない」のではなく、「結婚したくてもできない」

「最近の若者は結婚に興味がない」
「車もブランド品も欲しがらない」

そんな言葉を耳にすることが増えた。

しかし、国連人口基金(UNFPA)が日本を含む73の国・地域で18~39歳を対象に実施した調査を見ると、少し違った景色が見えてくる。

調査では、若者の3分の2以上が結婚を望み、子どもを持ちたいと考えていた。
一方で、88%が「子どもを持つ前提条件は経済的安定」と回答
また、81%が結婚への障壁として経済的な不安を挙げている。

つまり、「結婚したくない」のではなく、「結婚したくてもできない」のだ。

「失う痛み」が行動を止める

心理学には「損失回避」という考え方がある。

人は何かを得る喜びよりも、失う痛みを大きく感じる傾向があるというものだ。

結婚や子育ては、本来なら人生の喜びである。

しかし将来への不安が大きい今の社会では、「幸せ」よりも「失うもの」が先に頭に浮かぶ。

「子どもが生まれたら生活できるだろうか」
「教育費は払えるだろうか」
「住宅ローンは組めるだろうか」

こうした不安が積み重なると、人は人生の大きな決断を先送りしやすくなる。

若者は「結婚したい」「子どもが欲しい」

私の周囲にも、

「結婚したいけれど、税金や社会保険料の負担も大きい。
円安や物価高なのに給料は思うように上がらない。不安で結婚に踏み切れない」

と話す若者は少なくない。

彼氏や彼女がいても、デートは自宅でゲームを楽しむ程度。
バブル時代に青春を過ごした私たちとは、時代背景が大きく違う。
当時は高級ホテルのバーで待ち合わせをし、高級イタリアンで食事を楽しむことも珍しくなかった。

もちろん、どちらが良い悪いという話ではない。

経済環境が変われば、人の行動も変わるということだ。

少子化は価値観だけでは説明できない

メディアでは「若者は結婚離れしている」「車に興味がない」と語られることが多い。

しかし今回の調査が示したのは、その前提が違うということだった。

望んでいないのではない。望んでいても、一歩を踏み出せない。

少子化を考えるとき、「価値観が変わった」の一言で片付けるのではなく、
その一歩をためらわせている心理や社会環境にも目を向ける必要がある。